十津川郷(奈良県十津川村)


  面積が広い割に、「街」と呼べるような集落がほとんど存在しない、奈良県十津川村。かつて林業が盛んだったこの村が目下力を入れているのは、観光資源開発。村の北部にある「谷瀬吊橋」と、村内に散在する温泉が、目玉である。
  村内には、十津川温泉郷、湯泉地温泉などの高名な温泉地がたくさんあるが、そのうちの湯泉地温泉は国道から近く、比較的アクセスの便もいい。村役場に近いこともあり、道路もきちんと整備されている。そして、国道沿いに道の駅もオープンしている。
  温泉地の道の駅、または温泉施設のある道の駅は、全国津々浦々にある。しかし、駅名に「〜温泉」とつけておきながら入浴施設がなかったり、入浴できるけれども観光地値段だったりということが多い。私は、もともと道の駅は商業施設ではなく情報発信施設だと考えているから、この傾向はあまり好ましくない。しかし、ここ【十津川郷】は、見事に私の考え方に合致した施設を提供してくれていた。
  山間の小型駅なので、物産館や休憩施設は規模が小さい。営業時間も短い。お土産を買うにはあまり使い勝手はよくないかもしれない。しかし、駐車場の外れに、無料で24時間(清掃時除く)利用できる足湯が併設されているのである。硫黄の臭いがツンと鼻を突く、透明な湯。これに足をつけるだけで、長旅の疲れが癒すことができる。
  このような無料のワンポイント施設こそ、道の駅の最大価値になるのではないかと思う。


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